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「旧堀切邸」は、福島市の奥座敷である飯坂温泉の中心に位置する豪農・豪商の邸宅です。
敷地内の全15棟の内、損傷や腐朽の著しい8棟を解体し、残る7棟は保存・修繕・耐震補強をすすめ、当時の営みを感じながらも展示や集会等に対応できる施設としました。
ランドスケープは、本来の景観資源を構成している当時の素材や既存樹木の再利用を基本とし、当時の建物群を偲びかつ新たな飯坂の歴史を育む施設を目指しました。

「松鶴苑」は福島市飯坂温泉の玄関口にあたる街道沿いに位置する片岡鶴太郎美術館内に整備したものです。
苑内は県産材使用の伝統的工法により建築した町屋造りの和菓子店「吉兆松屋」や片岡鶴太郎美術館を石畳の回廊や門・塀により有機的につなぎ、散策しながら建築と庭園の美しさを楽しめる新しい憩いの場所となっています。

明治22年に建築された木造建築では日本最古の共同浴場を飯坂温泉のシンボルとして再現するため、2ヶ所の共同浴場を統合し、景観に配慮しながら市民や観光客がくつろげる場として一体的に整備したものです。現代の公衆浴場では経験できない特性のある明治時代の共同湯として、青森ヒバをふんだんに使った匠の技や、シャワーやカランのない浴室など、古き良き時代を今に伝えています。